牛車腎気丸(ごしゃじんきがん)

構成生薬 : 地黄,山茱萸,山薬,沢瀉,茯苓,牡丹皮,桂皮,附子,牛膝,車前子

効果・効能 : 下肢痛,腰痛,しびれ,排尿困難,頻尿,浮腫み

漢方医学では、下半身は腎臓が司っていると考えます。
この腎臓の生命エネルギーである“気”を高める方剤で代表的なものは八味地黄丸です。
この八味地黄丸に痛みと浮腫みに効く、牛膝(ごしつ)と車前子(しゃぜんし)を加えたものが牛車腎気丸です。
具体的には足がしびれ痛くて、浮腫んでいるような状態に使うのですが、腰部脊柱管狭窄症の患者さんがまさにこの症状となります。
脊柱管狭窄症にはプロスタグランジンE1という薬を投与しますが、これだけでは今ひとつ症状が改善しない患者さんや、プロスタグランジンE1が何らかの理由で使えない患者さんに私は投与しています。
劇的によくなるというわけにはいきませんが、しびれが改善するとか、浮腫みが少し減る、こむら返りが治まると言われる患者さんが多いです。
高齢者の増加に伴い、腰部脊柱管狭窄症は増えており、牛車腎気丸の投与機会も増えてきています。