柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

構成生薬 :  柴胡(さいこ), 黄芩(おうごん), 竜骨(りゅうこつ), 牡蛎(ぼれい), 茯苓(ぶくりょう), 人参(にんじん), 生姜(しょうきょう), 大棗(たいそう), 桂皮(けいひ), 半夏(はんげ)

効果・効能 : 比較的体力があり,心悸亢進,不眠,いらだちなどの精神症状のあるものの次の諸症:高血圧症,動脈硬化症,慢性腎臓病,神経衰弱症,神経性心悸亢進症,てんかん,ヒステリー,小児夜啼症,陰萎

漢方薬の精神安定剤です。 柴胡は抗炎症作用とともに、鎮静作用があります。これに哺乳動物の化石である竜骨と牡蠣の殻すなわちカルシウムが入っています。カルシウムに鎮静作用があることを3世紀には経験的に知っていたということが驚きです。
胸脇苦満(きょうきょうくまん)と言われる右上腹部の圧痛を認めれば、柴胡を含む方剤の処方適応となりますが、柴胡加竜骨牡蛎湯はさらに臍上悸(さいじょうき)といって、臍の上に動脈の拍動を触れることが投薬の指標となります。これはストレスによる自律神経の過緊張のために心拍出量が亢進していることを示しています。