半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)

構成生薬 : 半夏,黄芩,乾姜,甘草,大棗,人参,黄連

効果・効能 : 悪心・嘔吐,食欲不振,下痢,神経性胃炎,口内炎に使います。

「良薬口に苦し」とは黄連(おうれん)のことを指すのだそうです。
黄芩も苦いので、半夏瀉心湯は苦みがあり、黄色い色をしています。
この方剤は胃腸症状に使うのですが、特に「腹中雷鳴」といって、腹がゴロゴロ鳴るような急性下痢症で、胃がムカムカするようなときが一番合います。
こんな場面にみなさんも結構出くわすのではないでしょうか。こんな時に半夏瀉心湯を持っていると重宝します。
私もたまに服用しますが、不思議なもので全く症状が無い時に試し飲みをすると、とても苦さを感じるのに、先ほどのような症状があるときに服用すると、苦みをあまり感じません。
漢方薬には味証といって、味の相性があります。このような時には味証が合っているのでしょう。
その他、心下痞鞕(しんかひこう)といって「みぞおちのつかえ感」と「みぞおちを触ると硬い場合」は、この方剤の適応です。これは神経性胃炎の症状を表しているのだと思います。
あとは口内炎のときに服用すると、痛みがやわらぐと言われます。
消化管全般に使える方剤です。